今日のふた言

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【水無月の由来】なぜ六月(梅雨)が“水無”なのか?

      2016/03/03

水無月

日本では、明治維新前まで太陰太陽暦(通称:旧暦)を用いており、1年12か月を和風月名と呼ばれる独特な呼称で表現していました。

和風月名とは、旧暦の行事や季節に合わせた名称となっており、1月は親類一同が顔を合わせ、共に仲睦まじく過ごす月であることから「睦月」、12月は年末に師と呼ばれる僧侶の方が走り回るほど忙しくなる季節のため「師走」と呼ばれています。

さて、ここで1つ不思議なことがあります。

和風月名は、行事や季節に合った呼び名で表現されているのですが、雨が多くなる6月はなぜが「水無月(みなづき)」と呼ばれています。雨がたくさん降っているのに水が無いのはおかしいですよね。

そこで、今回は梅雨シーズン真っ只中の6月がなぜ「水無月」と呼ばれているのか、その由来や意味を解説したいと思います。

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梅雨なのに「水無月」と呼ばれる由来とは?

6月

6月は8月と同じく国民の祝日が無い月だと言われてきましたが、2016年より8月に16日目となる国民の祝日「山の日」が誕生したことで、遂に祝日が無い月が6月のみとなってしまいました。

和風月名は、その月に行われている行事や季節に合った呼び名で作られており、旧暦の8月は新暦の9月から10月にあたるため、特に行事が無くても、木々の葉がひらりひらりと舞い落ちる様から「葉落ち月=葉月」と呼ばれるようになったそうです。

しかし、6月は雨がたくさん降るにもかかわらず、和風月名では「水無月」と呼ばれており、現在でも新暦の別称として用いられております。

なぜ長雨が続く6月が水無月と呼ばれているのでしょうか?

水無月と呼ばれるようになった由来は諸説あり、1つは「6月は田んぼに水を引く月だったから」、2つめは「梅雨が明けて水が涸れることなくたっぷりあるから」、3つめは「重労働である田植えが完了する時期だったから」などが挙げられます。

ですが、最も有有力視されているのが、水無月の「無」という文字には、名詞と名刺を繋ぐための助詞「連体助詞」であり、「無」は「の」という意味になることから、水無月は本来「水の月」という意味になるのではないかという説です。

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水無月=水が無い月?

雨

では、なぜ水無月=水が無い月という解釈が行われるようになったのか気になりますよね。

実は旧暦の6月は新暦の7月上旬から8月上旬までを表しており、既に梅雨のシーズンは終わっており、ジリジリと照りつける太陽の光によって水が干上がるため水が無い月という解釈がされているのではないかと言われています。

水が無いから水無月なのか、水があるから水無月なのか、結局どちらが正しいというのは無いため、どちらも正しいのではないかと言われています。

しかし、6月は他にも「風待月(かぜまちづき)」や「鳴雷月(なるかみづき)」、「涼暮月(すずくれづき)」、「焦月(しょうげつ)」などと呼ばれており、先人たちがいかに自然を愛し、僅かな変化も見逃さず美しい言葉で表現し、その月を楽しんでいたことがよく分かります。

まとめ

今回は6月が何故「水無月」と呼ばれるのかについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

ところで、水無月と言えば、京都府では1年の折り返し日となる6月30日に1月1日から現在までの罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願して「夏越祓」の神事が執り行われます。その際、水無月と呼ばれる和菓子を食べるそうですが、この水無月という和菓子は6月の代表和菓子となっておりますので、ちょっぴり早いですが、暑気払いにいかがでしょうか♪

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