博多祇園山笠「追い山」「舁き山」「飾り山」それぞれの意味と違いについて

出典:http://hakata-yamakasa.seesaa.net/
その博多祇園山笠を語るうえで忘れてはならないのが、国の重要無形民俗文化財にも指定されている「山笠」です。
山笠とは、熟練の職人さんが1つ1つ手作りで作る巨大な山車の1種であり、その装飾には豪華絢爛な飾りが施されています。博多祇園山笠では、舁(か)き山と飾り山の2種類の山笠が用意されており、特に観光客から人気のある飾り山は、なんと10mほどもある大きな山笠であり、博多の祇園山笠の右に出るものはいないと言われています。
さて、ここで「舁き山や飾り山ってなに?」と疑問に思われる方も多々いらっしゃるかと思います。そこで、今回は博多祇園山笠の舁き山や飾り山についてご紹介して行きたいとおもいます。
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追い山・舁き山・飾り山の違いとは?
それでは、ここから「追い山」「舁き山」「飾り山」の違いについてご説明します。
●追い山

出典:http://blogs.yahoo.co.jp/shigeto1953/38645207.html
そして、午前4:59に大太鼓の音と共に一番山が舁き出し、櫛田入りを行います。その後、午前5:05から5分間隔で二番山、三番山と続いてゆき、払暁の博多の街を縦横無尽に疾走します。
ゴールとなる廻り止めの場所は、須崎町石村萬盛堂前となっており、およそ5kmの道のりを20分から30分で走破しなければなりません。追い山では、櫛田神社の清道を回る「櫛田入り」のタイムと廻り止めまでの「全コース」走破タイムで競い合う行事となっています。
このようなタイムを競う形態になったのは、1687年頃だと言われており、それ以前の博多祇園山笠はまったりとしたお祭りだったそうです。
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●舁き山

出典:http://www.asahi.com/special/news/articles/SEB201307130021.html
本来の神輿は「引くもの」ですので、足には車が付いているのですが、博多祇園山笠は舁いて運ぶものですので、車が付いていません。台座となる山笠台には、釘が一本も使用されておらず、台に乗せる飾り人形も昔ながらの製法で作られています。
明治時代までは飾り山と同じ15mほどの山笠を舁いていたのですが、安全性の問題から1898年に背の低い舁き山と据えて見物するための背の高い飾り山の2つを用意するようになったそうです。ですが、八番山の川上端通の山笠は、舁き山と飾り山が分離する前の山笠を再現しており、「走る飾り山」の愛称で親しまれています。
●飾り山

出典:http://poohsuke.blog.so-net.ne.jp/2010-07-13
福岡市内には、現在14基の飾り山が飾られており、屋外にある飾り山は、雨風から飾りを守るために山小屋が作られ、室内に設置されている飾り山には山小屋はありません。そのため、外の飾り山は山小屋に入れられるため、側面の飾りは見ることができませんが、室内の飾り山は側面までしっかり装飾が施されています。
飾り山の装飾にはルールがあり、「飾りは下から頂上まで「道」「橋」「水」などで必ず繋がなくてはならない」「山の番号が奇数の場合は勇壮な飾り付けの「差し山」、偶数は優美な飾り付けの「堂山」にする」など決まりがあります。
飾り山は、明治の近代化によって誕生した山笠であり、追い山と舁き山に比べると歴史は浅いと言えます。飾り山の表は、その年に放送されている大河ドラマや博多に由来のある偉人など歴史物が多いのですが、見送りには自由闊達なテーマが採用されており、アニメや童話、風刺など老若男女問わず楽しめるものとなっています。
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