今日のふた言

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次回の「うるう秒」を知ることはできるのか?世界に与える影響とは?

      2016/04/18

時

2015年7月1日午前8時59分59秒の後に、+1秒挿入され、8時59分60秒という時間が誕生したのは記憶に新しいかと思います。

この+1秒のことを世間では「閏秒(うるうびょう)」と呼んでいます。

うるう秒とは、UTC(協定世界時)において、世界時のUT1との差を調節するために設けられた時間であり、現在のUTCは1972年から始まり、2015年までに合計26回うるう秒を挿入しています。

なぜ、うるう秒が必要なのか気になる方も多いかと思います。

そこで、今回はうるう秒とは何か、どのような影響が現れるのかについてご説明したいと思います。

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うるう秒とは何か

時計

うるう秒を知る前に、1日や1秒の長さがどのように決まっているのかを知る必要があります。

昔は1日の長さを地球の自転によって決めており、その24分の1を1時間、その60分の1を1分、さらにその60分の1を1秒としていました。ですが、時代の流れと共に時間を計測する技術が進歩してゆき、原子時計によって人間は正確な時間を知ることができるようになったのです。

しかし、地球の回転速度には少々ムラがあり、常に一定の速度で回転しているわけではないことが明らかになったのです。

地球の自転が遅い状態が続いてしまったり、自転の速度が速い状態が続いてしまうと、地球の自転によって決めている協定世界時間と国際原子時計に大きなズレが生じてしまうため、それを防ぐために「うるう秒」を実施しています。

地球の自転速度と原子時間を比較しながら、長期の観測が行われており、地球の自転と原子時計の時間のズレが±0.9秒の範囲に留めるため、うるう秒は必要不可欠な存在なのです。

うるう秒が世界に与える影響とは

疲れ

季節と暦月を調節するために設けられた「閏(うるう)」は、地球が太陽を1周するのにかかる時間は、およそ365日5時間48分46秒であり、その端数を積み重ね、グレゴリウス暦などの太陽暦を用いている国では、4年に1度、2月の末日に「29日」を置き、通常の年を354日に定め、適当な割合で1年を13か月としています。

そして、うるうのある年を「うるう年」、うるうに当たる月を「うるう月」、うるうとして加えられた2月29日を「うるう日」、世界協定時において国際原子時との差に大きなズレが生じないように加える1秒を「うるう秒」とし、常に正常な暦暦と時間を調節しています。

様々な閏があるなかで、たった1つ私たちの生活に影響を与えるものがあります。

それは「うるう秒」です。

2015年7月1日にうるう秒が挿入された際、世界では様々な影響が出て大混乱に陥ったことは記憶に新しいのではないでしょうか。

では、うるう秒を挿入したことで生じた影響とは、どのようなものなのでしょうか。

【時計・パソコン・スマートフォンへの影響】

正確な時間を知るための時計、常日頃から使用しているパソコンやスマートフォンなどは、うるう秒を挿入されても影響は、ほとんどありませんでした。

その理由は、近年電波によって時間が調節されている電波時計やデジタル放送の録画機器などが主流となっており、±1秒されても影響を受けないようになっているからです。

また、パソコンやスマートフォンなども自ら時刻の補正を行うことができる機能が付いているため、うるう秒による影響はありません。昔ながらのアナログ時計を使用している方は、うるう秒が挿入された際、NHKの時報で調節を行おうと思われた方もいらっしゃるかと思います。

NHKの時報は、±1秒を午前8時59分59秒の後に加えるのではなく、0.01秒ずつ100秒かけて、ゆっくりずらして行く配慮がされています。NHKらしい心遣いですね。

【サーバー・ソフトウェアへの影響】

日常生活では、1秒のズレに対してさほど大きな影響はありませんが、デジタル機器やIT分野ではトラブルが多発する可能性があります。

「パソコンやスマートフォンには影響が無いのに?」と疑問に思われた方もいらっしゃるかと思います。

近年のパソコンやスマートフォンなどの端末はうるう秒が挿入された際に出される特殊な信号を受け取ることで、自動的に時間を補正することができるのですが、一部のサーバーやソフトウェアは、うるう秒が挿入されても対応できない場合があり、2012年にうるう秒が挿入された際は、世界中でインターネットトラブルが発生しました。

もちろん、全ての企業に影響が出たわけではありません。

Googleや東京証券取引所などは、うるう秒によるトラブルを防ぐために事前に対策を講じていたため、大きなトラブルに見舞われることがなかったそうです。

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うるう秒を知ることはできるのか

目覚まし時計

うるう秒が挿入されるようになったのは1972年からです。

うるう秒が実施されるのは、協定世界時の12月もしくは6月末日の最後の秒で行われるようになっており、それでも調節できない場合は、3月もしくは9月の末日の最後の秒で行います。ですが、日本時間は協定世界時よりも9時間進んでいるので、うるう秒が挿入されるのは午前8時59分59秒で調節が行われるようになっています。

第1回目に行われた1972年から1983年までは毎年実施されていたのですが、それ以降は不定期で実施されるようになり、昨年の2015年に実施されたうるう秒は、3年振りのことでした。

うるう秒による影響は世界中に広がるため、次回の実施を事前に知りたいという方々もいらっしゃいますが、うるう秒は地球の自転速度によって決まるので、次回はいつ挿入されるのかは不確定となっています。

うるう秒が挿入されるようになった1972年から1979年までは毎年実施されており、1981年から1998年までは2年に1度、2005年以降はほぼ3年に1度のペースで行われておりますので、2015年の3年後にあたる2018年頃に27回目が実施されるのではないかと囁かれています。

ただ、現在うるう秒の存廃について国際電気通信連合にて議論が行われており、2013年にはうるう秒を廃止する提案も行われています。

ですが、2015年11月に行われた国際電気通信連合の世界無線通会議総会では、うるう秒の廃止などに関する新しい時系の導入や影響について、より一層研究してゆく余地があるとされ、2023年まで保留となっています。

まとめ

今回はうるう秒についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

地球には、様々な生物が共存して生活しています。そのため、季節や時間の流れも異なるため、うるう秒を挿入することで地球の自転と同期させるのにどのような意味があるのかと考える方もいらっしゃいます。

もうすぐ「時の記念日」がやってきます。この機会に時間について家族や恋人、友人たちと話し合い、時間の大切さについて議論してみてはいかがでしょうか。

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