スズメバチに刺されたらどうなる?2回目の症状と応急処置について
2016/03/26
春から秋にかけて猛威を振るう毒虫の代表「蜂」は、ミツバチやアシナガバチなど様々な種類がいますが、蜂の中でも特に危険視されているのが「スズメバチ」です。
現在日本国内には、スズメバチ属・クロスズメバチ属・ホオナガスズメバチ属に属する16種が生息しており、最近新たに中国や台湾に生息しているツマアカスズメバチが2015年北九州市で発見され、話題となっています。
スズメバチのなかでも特に危険なのがオオスズメバチとキイロスズメバチと言われており、毎年大勢の人々が刺されて、命を落としています。
そんなスズメバチですが、巣を作り始めてから活動が完了するまでの春から秋にかけてに限られており、ひとつの巣で1年以上住みつくことはありません。また、越冬することができるスズメバチは、その年誕生した新しい女王のみのため、元女王蜂・働き蜂・雄蜂たちは冬を迎える前に一生を終えます。
ですが、スズメバチは種類によって活動時期が異なるため、冬が必ず安全とは限りません。
そこで、今回はスズメバチの生態や刺されたらどうなるのかなどについてご説明して行きたいと思います。
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スズメバチの生態
スズメバチの一生は短く寒さが厳しくなる頃にはほとんどが死んでしまいます。しかし、種類によっては12月頃まで活動することができるもの存在します。
【スズメバチの活動期間】
●オオスズメバチ:4月から11月頃まで
●キイロスズメバチ:3月から12月頃まで
●ヒメスズメバチ:4月から10月頃まで
●コダカスズメバチ:4月から11月頃まで
●モンスズメバチ:3月から10月頃まで
【攻撃性が高まる時期】
●オオスズメバチ:8月から10月頃
●キイロスズメバチ:7月から10月頃
●ヒメスズメバチ:8月から9月頃
●コダカスズメバチ:7月から10月頃
●モンスズメバチ:7月から8月頃
スズメバチは活動を始めた直後は攻撃性が低く、ほぼ新しい女王蜂しかいませんので、襲ってくる心配はほとんどありません。冬眠明けのスズメバチは弱っているため、比較的おとなしいのです。
しかし、エサをたっぷり食べて元気なると、女王蜂は巣を作り始めます。そして、6月から7月頃になると働き蜂が誕生し、8月中旬頃には子孫を残すために雄蜂と新女王蜂の卵が産みつけられます。そして、9月から10月にかけて徐々に巣を拡大し、攻撃性も高まってゆきます。
そして、新たな女王蜂が誕生すると先に浮かしたスズメバチの雄は巣穴の外で待機し、交尾を行うと仕事を終えた新しい女王蜂は朽木に穴を掘って越冬します。そして、来年の春まで眠り、営巣に向けて体力を温存します。
そして、役目を終えた雄蜂と、巣を守り切った働き蜂は全て死に、新しい女王蜂はたった1人で翌年の春に新たな生命を繋げてゆくのです。
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スズメバチに刺された場合の応急処置や1回目と2回目では症状が違うのか
毎年秋になるとスズメバチによって大勢の方々が亡くなっています。
スズメバチもミツバチ同様、刺すのはメスのみで、稀にオスも襲ってきますが、毒針を持っていないため、襲う姿勢を見せるだけで実際には襲ってきません。
スズメバチの毒は「毒のカクテル」と呼ばれており、様々な成分が混ざり合った混合物となっています。
スズメバチの毒の成分は以下の通りです。
・炎症作用:ヒスタミン
・神経毒:セロトニン・アセチルコリン
・アナフィラキシーショックの原因:ペプチド・ホスホリパーゼ・プロテアーゼ
これらの成分は恐ろしいスピードで全身に行き渡るため、スズメバチに刺された瞬間に激痛が襲い、患部が大きく腫れ上がります。
これはヒスタミンやセロトニンなどの作用なので、数時間すると収まるのですが、なかには1週間経っても腫れている場合があります。また、刺された直後には晴れなかったが、2日から3日ほど経過してパンパンに腫れるという場合もありますので、腫れていないから安心というわけではありません。
また、腫れ以外にも蕁麻疹・息苦しさ・腹痛・下痢・頭痛などの症状が現れる場合がありますので、気を付けましょう。
刺されてしまった場合
もしも刺されてしまった場合、大声を出さないよう気を付け、姿勢を低くし、素早くその場から立ち去ります。
スズメバチの場合、攻撃態勢を整えて再度襲ってくる可能性もありますし、何よりも刺された際に針から警報フェロモン効果のある毒液をまき散らすため、仲間を呼び寄せて襲ってくる危険性もあります。蜂は種類にもよりますが、最大20mまで追いかけてきますので、50mほど離れれば安心です。また、大勢の人が集まる場所までは襲ってきませんので、近くに人が集まる場所があるならば、そこまで逃げましょう。
安全な場所まで逃げ切ったら、数分以内に患部を流水で冷やしながら刺された場所の周辺をつまんで圧迫し、毒と血液を外へ出します。そして、もう1度患部をしっかり洗い流しましょう。
体内から毒を抜き出したら、刺された部分に抗ヒスタミン系の成分を含有しているステロイド軟膏を塗り、塗れた冷たいタオルや保冷剤などで患部を冷やして速やかに病院へ向かいましょう。
刺されてから20分から30分経過しても無力感・呼吸困難・血圧低下・脈拍増加・けいれん・意識障害・蕁麻疹などの症状が複数現れた場合、アナフィラキシーショックの可能性が高いため、一刻も早い応急処置を行い、医療機関で診てもらう必要があります。
アナフィラキシーショックを起こしてしまった場合、過去に蜂毒に侵されており、蜂毒アレルギーを発症している可能性があります。ですが、蜂毒アレルギーを持っていても8割から9割の方が1度目と同じ局所的な症状が強めに現れるのですが、1割から2割の方がアナフィラキシーの症状となり、酷い場合はショック症状を引き起こします。
特に1度刺されてから2度目に刺されるまでの期間が短いとアナフィラキシーショックになりやすいので、気を付ける必要があります。
まとめ
今回はスズメバチに刺されるとどうなるのか、1度目と2度目では何が違うのかについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
世界危険動物の1種に含まれているスズメバチですが、実は弱点もあります。スズメバチは非常に熱に弱く、45度前後の温度で死んでしまいます。そのため、ニホンミツバチはスズメバチを退治する際、スズメバチを取り囲み、身体を震わせて体温を上げ、退治してしまいます。
また、スズメバチはハチクマという鳥や熊、オオカマキリ、オニヤンマなどが大嫌いなので近付こうとしません。最強の生物にも天敵がいるというだけでもちょっぴりホッとしますね。
これから春になりますが、お出かけの際は抗ヒスタミン系のステロイド軟膏を持って野山に出掛けるようにしましょう。
※他の虫さされの対処法はこちら↓
⇒ ミツバチに刺されたらどうなるの?子どもは特に注意が必要!
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