「時の記念日」の由来と子供向けの説明方法
2016/04/05
皆さんは、平日と休日の時間の流れが違うと感じた経験はありませんか。
特に休日は1日がとても短く感じられるのに対し、平日の1日はとてつもなく長く感じられます。時間の流れが変わっているわけではないのに、なぜ平日と休日の時間の流れが大きく異なるのでしょうか。
それは、時間の使い方が平日と休日では大きく違うからです。
平日の場合、仕事や勉強に対して焦りを感じたり、物事に対してのモチベーションが違ったり、予定が詰め込み過ぎているなど空き時間をうまく作ることができず、物事の優先順位を決めるのが下手なため、時間が足りないように感じているだけなのです。
さて、そんな時間に追われている方に是非知っていてほしい記念日があります。
それは「時の記念日」です。
今回は、時の記念日とはどのような日なのか、子どもたちに分かりやすく説明する方法のコツについてご紹介したいと思います。
スポンサーリンク
時の記念日とは
時の記念日とは、1920年に東京天文台(現在の国立天文台)と生活改善同盟会が制定された記念日です。時の記念日には「時間を厳守し、欧米並みの生活改善及び合理化を図ろう」という意味が込められています。「日本人って世界一時間にうるさい国じゃなかったっけ?」と思われる方も大勢いらっしゃるかと思います。
時の記念日が制定された1920年は大正時代であり、この頃の日本は産業化・資本主義化・合理化・民主化など様々な観点から近代的な社会へと移行しようとしていたときでした。そして、徐々に近代化への基盤が固まりつつあったこの段階で、次のステップに向けた新たな改革が行われます。
それは、国民の生活時間効率の向上と時間の大切さを知ることでした。
そこで、政府は伊藤博邦氏を代表とする文部省外郭団体「生活改善同盟会」を組織し、実行目的の第1項目に「時間を正確に守ること」と表明し、それに文部省も呼応するかたちで時間の尊重と教育的意義を重視するようになり、同盟会と文部省共催の「時の博覧会」を開催することになったのです。
この時の博覧会は、671年6月10日に日本で初めて時間を知らせる漏刻(ろうこく)を建造し、太鼓や鐘を打って時を知らせるという「時の奏」を行った天智天皇に由来しており、開催日が5月14日から7月4日まで開催されることとなり、開催日が天智天皇の故事ゆかりの日である6月10日の前後になっていたこと、そして6月10日を迎えるにあたり当時の東京天文台長であった河合章二郎氏によって時間の大切さが提唱され、時の記念日が誕生したのです。
スポンサーリンク
時の記念日を子どもたちに説明する場合はどうしたらいいの?
時間の大切さを後世に伝えるために誕生した時の記念日ですが、1999年から時の記念日である6月10日に福島県にある「おおたかどや山標準電波送信所」から40kHzの電波が発信され、日本の標準時間を全国に送っています。そのため、時間を大切にすることとズレてしまった時計を直し、時間に遅れが生じたり、無駄にしないようにという試みが行われています。
最近では日本各地の保育園や幼稚園にて、6月10日の時の記念日に先生方が「時間の大切さ」や「時間が無くなってしまうとどうなるのか」について説明し、「時間を厳守し、欧米並みの生活改善及び合理化を図ろう」という意味合いから「過ぎ去った時間の大切さを考える」という意味へと変化しています。
さて、そんな子どもたちに時の記念日について分かりやすく伝えるには、どうしたら良いのでしょうか。
子どもたちに時の記念日について説明する場合は、「時間の重要性」と「毎日を一生懸命に生きること」の2点を伝えるのがポイントです。
子どもの頃は、時間を大切にしたり、物事に一生懸命取り組む機会がほとんどありません。
ですので、子どもたちに時の記念日の大切さを教える場合は、「○○くん(ちゃん)は、もしも時間が分からなかったら困ることは何かな?」と質問し、子どもたち自身が「大好きなアニメを見逃しちゃうこと」「おやつが食べられないこと」「お友だちやお父さんと遊ぶことができないこと」など自ら時間に関する答えを導き出すことができれば、「時間ってとても大切なものなんだ!」と思うようになります。
まとめ
今回は6月10日の時の記念日についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
普段あまり考える機会の無い「時間」について、今1度自身の生活を見つめ返し、毎日何時にどんなことをしているのか、時間が分からなくなったらどうなるのかということを考え、無駄な時間があるようならば、その時間を削り、自身がどれほど時間を浪費しているのかを自覚することで時間の大切さを知ることができます。
この機会に家族で時間について話し合ってみてはいかがでしょうか。
スポンサーリンク