今日のふた言

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お盆の期間はいつからいつまで?覚えておきたい歴史と由来とは!

      2016/04/28

盆

子どもの頃、夏休みになると家族で祖父母に会いに帰省し、お墓参りや精霊棚、盆提灯を飾るお盆の行事を手伝った経験がある方も多いのではないでしょうか。

お盆とは、毎年旧暦の7月15日を中心に行われるご先祖様へ感謝し弔う行事で、日本では古くから「人間は死ぬと天に昇り神様になる」「あの世に渡り仏様になる」という伝承があり、ご先祖様の精霊をお迎えして祀っています。

ご先祖様方はお盆の間、現世へやってきて私たちと共に過ごすと言われており、期間中は親元に親戚一同集まり、互いの近況を報告する目的も兼ねています。しかし、近年核家族化の進行によって供養する対象が変化し、ご先祖様ではなく、祖父母や両親といった身近な故人を供養する行事へと変わりつつあります。

また、お盆はお住いの地域によって時期が異なるため、越してきた方やご結婚されている方はお盆の違いに戸惑うこともしばしばあります。

そこで、今回はお盆の時期はいつからいつまでなのか、覚えておきたい由来や歴史についてご紹介したいと思います。

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お盆の時期はいつからいつまで?

盆提灯

旧暦の7月15日を中心に毎年行われるお盆ですが、実は地域によって時期が若干異なります。

【お盆の時期】

●東京都・神奈川県横浜市・東北地方:新暦の7月15日頃

●東北地方の一部地域・北関東・中国地方・四国地方・九州地方・南西諸島など:旧暦の7月15日頃

●関西地方などその他の地域:新暦の8月15日頃

なぜ、地域によってお盆の時期が異なるのでしょうか。

本来お盆とは、旧暦の7月13日から7月16日までの4日間に行う行事であり、お盆が始まる7月13日を「盆の入り」もしくは「迎え盆」、お盆が終わる7月16日を「盆明け」もしくは「送り盆」と呼び、中日の7月14日と15日のどちらかに法要や供養の儀式を行います。

明治6年以降に採用された新暦によって、8月13日から8月16日の4日間に行われるようになったお盆を「月おくれ盆」と呼び、農作業が忙しくなる時期を避けるためにこの期間にお盆を行うようになったと言われています。

都心部を中心に新暦の7月15日頃にお盆を行う理由は、他地域のお盆シーズンとずらすことで、家族や親戚が集まりやすくするためであり、旧暦の7月15日頃にお盆を行う地域では、古くから伝わる祖先祭りの時期をずらすことができないのだそうです。

また、偶然にも8月15日は第二次世界大戦の終戦日でもあり、お盆と終戦記念日が重なる8月15日を「平和を祈る日」とし、ご先祖様だけではなく、万物全ての安寧を願う日という意味合いも強まっており、最近では8月15日頃にお盆を行う地域も少しずつ増えています。

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お盆の歴史

寺

お正月行事と並ぶ2大行事として、日本で古くから行われているお盆は、西暦606年に日本初の女性天皇として知られる推古天皇によって行われたという記録が「日本書紀」に記されています。

彼女は、14年に4月8日をお釈迦様の誕生日を祝う「灌仏会(かんぶつえ)」と7月15日に「斎会(さいえ)」を設けました。そして、657年に斎明天皇によって7月15日に飛鳥寺にて盂蘭盆会が催されたのです。

その後、武家や僧侶、宮廷の上層階級を中心にお盆行事が行われるようになり、江戸時代になると庶民の間でも仏壇や提灯、ろうそく(油)などが安価に手に入るようになり、お盆行事が日本各地へと広まっていたのです。

お盆行事が広まると同時に、小正月とお盆の時期が近付くと商家などで働く奉公人たちに休みを与え、親元へ帰省させる「藪入り」という風習が生まれ、暫くすると、嫁いだ娘がお盆期間に実家へ帰り、休息をとる習慣へと変化してゆきました。

現在では、地域や風習、宗派などによって様々なお盆行事が行われておりますが、ご先祖様を手厚くおもてなしするという考えは変わりません。

お盆の由来とは

仏教行事だと思われがちなお盆ですが、実は仏教が伝わる前から行われている古神道の行事の1つです。日本では初春と初秋の満月の日にご先祖様が現世へ戻ってくると言われており、それを迎え入れ手厚くおもてなしをするのがお盆です。

お盆には、ご先祖様の供養の他に収穫や豊穣を願う農耕儀礼の意味も含まれており、この2つの神事は農耕社会である日本で最も重要視されていました。その後、時代の流れと共に初春と初秋に行われていた行事は、それぞれ「お正月」と「お盆」と言う呼び名へ変化し、現在に至ります。

お盆という名は、盂蘭盆会の音写語が由来だと言われており、祖霊を死後の苦しみから救済する仏事と日本古来より伝わるご先祖様を供養する文化が融合し、お盆が誕生したと言われています。

まとめ

今回はお盆の期間や由来、歴史などについてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

現在のお盆の過ごし方は、子どもたちの夏休みと被っているため、夏季休暇を利用して海外旅行や観光、レジャーなどに出掛ける方も大勢いらっしゃいます。家族で楽しい思い出を作ることも大切ですが、日本に古くから伝わるお盆行事を子どもたちに体験させることも親としてとても大切なことかと思います。

今年の夏は近況報告がてら、お盆行事を子どもたちと共に体験してみてはいかがでしょうか。

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