ミツバチに刺されたらどうなるの?子どもは特に注意が必要!
2016/03/26
凍えるような寒い冬が終わりを告げ、青空から柔らかい日差しが雪を溶かしてポカポカと温かい春の季節がやってきました。
春と言えば、お花見やバーベキューなど屋外で家族や友人と楽しい時間を過ごす方も多くなるかと思います。しかし、春は目覚めの季節でもありますので、冬の間眠っていた昆虫や動物たちがノソノソと出てきます。
特にこれからのシーズン気を付けなければならないのが、ハチです。
ハチは世界に20万種以上存在する昆虫で、日本国内にはおよそ4000種存在すると言われています。
日本ではスズメバチ・アシナガバチ・ミツバチによる被害件数が年々増加しており、なかには死亡するケースもあります。
なかでもミツバチは、ハチのなかでも比較的おっとりとした性格のため、彼らの機嫌を損ねなければ滅多に攻撃されることはありません。
しかし、実はミツバチはハチの中でも最も高い殺傷能力を持っており、スズメバチと並ぶ危険生物なのです。
そこで、今回はミツバチに刺されたときの症状や対処法についてご説明したいと思います。
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ミツバチの種類や人を襲う原因とは?
世界には20万種を超えるハチが存在しますが、同じ社会性ハチ類に属しており、世界に500種以上存在するマルハナバチに比べると極めて少なく、たったの9種しか存在しません。
そのうち、日本国内で生息しているミツバチは産業養蜂種として人気のセイヨウミツバチとトウヨウミツバチの仲間である在来種のニホンミツバチの2種になります。
ミツバチは単独行動の際、攻撃性の低い穏やかな性格なのですが、危険を察知すると身を守るために攻撃をしてきます。
ハチたちが攻撃する理由は、ミツバチもスズメバチも同じく巣が危険にさらされているときや自分自身に危険が迫っているときに限られています。
なかには何もしていないのに刺されたという方もいるでしょう。
しかし、ハチは人よりも小さな生き物ですので、ただ単に見えていなかった場合や木の上にあり、気付かずに枝を揺すってしまったという可能性もあるため、何もなしに刺したりはしません。
特にミツバチは「蜂の一刺し」という言葉がある通り、1度人を指してしまうと死んでしまいます。刺して死んでしまう蜂はミツバチの哀しい性であり、攻撃を仕掛けてくるのは、オスではなくメスのミツバチのみとなっています。
ミツバチの針は釣り針のような返しが付いており、ヒトや動物を攻撃した際、皮膚を貫通しやすく、ギザギザのおかげで抜けにくい構造となっています。また、ミツバチは攻撃した後、すぐにその場を立ち去ろうとしますが、メスのミツバチは産卵管が針に毒を送り込む役割を兼ねているため、針と産卵管を自身の身体から切り離し、残された産卵管から針を伝ってポンプのように毒を体内に送り続けるのです。
しかし、針と内臓の一部を失ったメスのミツバチは、暫くすると息絶えてしまうため、ミツバチはあまりヒトを攻撃したくないと思っています。
しかし、ヒトよりも柔らかい皮膚を持つ動物を指した場合、ミツバチは命を失うことはないそうです。
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ミツバチに刺されるとどうなるの?
現在日本にはセイヨウミツバチとニホンミツバチの2種類存在しますが、セイヨウミツバチはハチの中で最も殺傷能力の高い毒性を持っているため、刺された後の処置を誤るとたいへん危険です。
ミツバチに刺されると、以下のような症状が現れます。
【自覚症状】
・口内の異物感やしびれ
・嚥下困難(食べ物などが飲み込みにくくなる症状)
・呼吸困難
・手足のしびれ
・息切れや動悸
・悪寒
・耳鳴り
・腹痛
・くしゃみ
・めまい
・尿便意
・けだるさ
【他覚症状】
・皮膚の紅潮や腫れ
・蕁麻疹
・むくみ
・呼吸困難
・チアノーゼ
・失禁
・意識が無くなる
最も危険なのがショック症状のアナフィラキシーショックです。
アナフィラキシーショックは、ハチに2回以上刺されていた場合のみに起こるアレルギー症状です。アナフィラキシーショックを引き起こすか否かは、初めてハチに刺された際に蜂毒アレルギーを発症したか否かによって変わってきます。
蜂毒アレルギーを発症しなかった場合、2回以上刺されても前回と同じ症状が少し強めに現れるのみで留まるのですが、蜂毒アレルギーを発症してしまった場合は蕁麻疹などの皮膚症状や嘔吐、息苦しさなどを感じるようになり、ひどい場合は意識障害や呼吸困難といった生命を脅かす症状が現れるようになります。
蜂毒アレルギーを発症した方の8割から9割の方は、アナフィラキシー症状を引き起こさず、刺された部分に痛みやかゆみなどが現れ、蜂毒アレルギーを持たない方同様、数日経過すると痛みがスーッと消えます。
しかし、1割ほどの方は蕁麻疹などの皮膚疾患や嘔吐、浮腫、息苦しさなどのアナフィラキシー症状が現れ、さらに酷い方はショック症状に陥り、呼吸困難や意識障害などが現れ、最悪の場合、死に至ることもあります。
正しい応急処置とは?
ですが、たとえ刺されたとしても正しい対処法さえ知っていれば、回避することも可能だと言われています。
【ミツバチに刺されたときの対処法】
①ミツバチに刺されたら、姿勢を10mから20mほどまで低くし、速やかにその場を離れます。ハチの針には警報フェロモンを放つ役割も果たしているため、威嚇をしないように注意しましょう。
②テレフォンカードなどで針を横から払うように取り除きます。
③傷口を流水にさらし、傷口から毒の成分を流します。このとき、傷口の周囲をつまみ、血液と共に毒を絞り出します。
④毒を吸い出すために専用の吸引器を使って吸い出します。
⑤抗ヒスタミン系成分を含んでいるステロイド系の軟膏を患部に塗り、保冷剤をタオルで包んで傷口を冷やします。
⑥応急処置を行った後、皮膚科もしくはアレルギー科の病院で速やかに受診してもらい、数日間安静に過ごします。
まとめ
今回はミツバチに刺された際の応急処置などについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
これから外出する機会が増えるかと思いますが、自然豊かな場所へ出掛ける際はミツバチに襲われてもパニックにならないよう、専用の吸引器や軟膏を持って出掛けるようにしましょう。
※他の虫さされの対処法はこちら↓
⇒ スズメバチに刺されたらどうなる?2回目の症状と応急処置について
⇒ 毛虫に刺されたらどうする?その症状と応急処置方法とは?
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