「十六団子の日」の由来と読み方について。16という数字の意味とは!?
2016/01/30
3月といえば、桃の節句や春のお彼岸、菜種御供大祭など古くから伝わる伝統行事が行われる月ですが、もう1つ忘れてはならない行事があります。
それは毎年3月16日に行われる「十六団子の日」です。
「十六団子ってなに?」と思われた方も多いかと思います。
そこで、今回は日本人ならば是非知っていてほしい十六団子の日の由来や読み方、16の意味に込められた意味をご紹介したいと思います。
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十六団子の日の由来と読み方
十六団子の日は、毎年3月16日に行われる伝統行事の1つです。この日は米粉もしくは上新粉に砂糖を加え、16個の小さな団子を御供えする日です。
いったい十六団子の日とは、どのような行事なのでしょうか。
日本では古くから米作が盛んに行われており、豊作を祈願して様々な行事が催されてきました。その中の1つが十六団子の日です。
日本には「神去来(かみきょらい)」という伝承があります。昔から山というものに神秘的なものを感じていた日本人は信仰の対象としていました。
そして、農民たちは山の神様を自分たちの村へお迎えし、米作豊穣を祈願しようと考え、春になると山の神様を「農事の神様」や「田んぼの神様」としてお迎えし、お米の収穫が終わる秋になると山の神様を山へお見送りするようになったのです。
春に山から村や里へ下りてくることを「さおり」、神様をお迎えする女性を「早乙女」と呼んでいたそうです。
この神去来によると、毎年山の神様が山と田んぼを往来する日は3月16日と11月16日(地域によっては10月16日)とされており、この両日までに16個の団子を作り、御供えするのが今も伝統として残っています。
特に3月16日は山の神様をお迎えする大切な日ですので、日本各地で「神迎の儀式」が執り行われています。
十六団子の読み方ですが、昔は「じゅうろうだんご」と読まれていましたが、現在は「じゅうろくだんご」と読まれており、読み方はどちらでも良いそうです。
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なぜ十六団子は16個用意しなければならないのか
そもそもなぜ十六団子の日と言われるようになったのか疑問ですよね。
16という数字は和菓子と深い関係があり、室町時代以降に誕生した「嘉定(嘉祥)喰い(かじょうぐい)」という風習によるものです。
嘉定喰いとは、陰暦の6月16日に16個のお餅を無言で食べ、無病息災を祈願するもので、これが江戸時代頃になると16文で購入できるお菓子を買い、笑わずに食べ切ると病気にならないという風習へと変化していったのです。
この風習が始まったのは848年のことで、当時悪疫を追い払うために賀茂神社へ16個の和菓子を祀ったのが始まりとされています。
現在では毎年6月16日を和菓子の日として制定し、お下がりを善哉へ入れて無病息災を祈願しているそうです。
ですが、十六団子の日に用意される16個の可愛らしい団子は、山の神様をお迎えする際のお供え物として用意するものです。
なぜ、お団子かと言いますと、山の神様を村や里へお迎えするための合図として、杵で臼を叩き、ゴンゴンという音を鳴らして山の神様に知らせるためなのだそうです。
そして、その杵と臼を使って餅を搗き、お迎えする日にちなんで16個の団子をこさえて御供えしたため、十六団子の日と呼ぶようになりました。
現在では、自宅に杵と臼のある方々はほとんどおらず、米粉や上新粉、片栗粉などを使って16個の団子を作り、行事食として家族揃って召し上がるのが現代スタイルとなっています。
また、恵比寿様や大黒様を祀る場所へ十六団子を御供えするそうです。
社会人として、また日本人として昔から続く伝統行事の1つ「十六団子の日」は覚えておくと良いかもしれませんね。
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