おじいちゃんやおばあちゃんへ感謝を伝える敬老の日の由来と意味について解説します
2016/06/29
いつもニコニコと優しい笑顔で見守ってくれているおじいちゃんやおばあちゃんに感謝の気持ちを伝える敬老の日が近付いてきましたね。
敬老の日といえば、幼い頃、地元の体育館で地域の高齢者の方々を招いて合唱や演劇などを披露するという学校行事を行っていたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
高齢者の方々の多くは、お孫さんや自分の子どもたちにお祝いしてもらうことが、とっても嬉しいと感じており、特に心のこもった手紙やメール、お家に遊びに来てくれるという贈り物が1番嬉しいと言われています。
確かに幼い頃は、ちょくちょくおじいちゃんやおばあちゃんに会いに行くことも多かったのですが、中学・高校・大学と成長するにつれ、恋人や友だちと共に居る時間が増え、社会人になると忙しさが増すため、おじいちゃんやおばあちゃんに会いに行く機会がほとんどありません。
「もしかして敬老の日って普段なかなか会えないおじいちゃんやおばあちゃんに会うための日なの!?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、実際の敬老の日はそういった意味で誕生したわけではありません。
そこで、今回は国民の祝日「敬老の日」の由来と意味についてご説明したいと思います。
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敬老の日の由来や意味とは
敬老の日とは、「多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ための国民の祝日です。
そして、若い世代に高齢者の方々への福祉についてより一層関心を持ってもらい、高齢者の生活を向上させるために尽力してほしいという願いが込められています。
現在は2001年の祝日法改正 (ハッピーマンデー制度)が実施されたことで2003年以降9月の第3月曜日が敬老の日とされておりますが、それ以前は毎年9月15日が敬老の日となっていました。
このハッピーマンデー制度の導入によって敬老の日が変更されたことを受け、敬老の日を提唱者らが遺憾の意を表明し、さらに高齢者団体から猛反発を受けたため、2001年に老人福祉法第5条を改正し、毎年9月15日を老人の日、同日より1週間を老人週間と制定したのです。
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敬老の日の誕生秘話
敬老の日は、1947年 (昭和22年)に兵庫県多可郡間野谷村の村長・門脇政夫氏と助役・山本明氏によって提唱された「としよりの日」が起源とされています。
門脇氏と山本氏の御二方は、間野谷村に住む老人を大切にし、年寄りの知恵を借りて村づくりするために9月15日を「としよりの日」と定め、敬老会を開催していました。
そして、1950年頃から敬老会の噂が兵庫県全体へと広まり、9月15日になると兵庫県各地で敬老会が催されるようになったのです。そして1951年に中央社会福祉行議会 (現・全国社会福祉協議会)によって毎年9月15日を正式に「とりよりの日」と定め、9月15日から9月21日までの1週間を運動週間としたのです。
さて、門脇氏と山本氏は、なぜ9月15日を「としよりの日」と定めたのか気になりますよね。
彼らが9月15日を選んだ理由、それは6世紀まで遡ります。
593年、冠位十二階や憲法十七条を制定したとされる聖徳太子が大阪の四天王寺を創立した際、同時に四箇院 (しかいん)の制を制定しました。
四箇院の制とは、「敬田院 (現・寺院)」「施薬院 (現・薬局)」「療病院 (現・病院)」「非田院 (現・老人ホーム及び孤児院)」のことであり、9月15日に設立されたのが非田院でした。
また、717年9月の中頃には、時の天皇・元正天皇が「養老の滝」伝説の地として知られる菊水泉を訪れ、「醴泉は美泉なり。もって老を養うべし。蓋し水の精なればなり。天下に大赦して、霊亀三年を改め養老元年となすべし」とし、なんと年号を変えてしまったのです。年号を変えるほど深く感動した日として9月15日を「としよりの日」としたとも言われています。
門脇氏と山本氏によって誕生した「としよりの日」でしたが、「としより」という言葉の表現があまり良くないということで1963年に老人福祉法の制定に基づいて「老人の日」と改称されました。
しかし、「老人」という言葉の表現も良くないということで、1965年に再度改称され、「敬老の日」として国民の祝日となったのです。
まとめ
今回は敬老の日の由来や意味についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。敬老の日は日本独自の行事であり、他の国では行われておりません。
おじいちゃんやおばあちゃんを大切に思う気持ちと今まで日本という国を支えてくれたことへの感謝を込めて、今年の敬老の日には「ありがとう、これからも長生きしてね」というメッセージを添えて、おじいちゃんやおばあちゃんが喜ぶプレゼントを持って、あなたの元気な姿を見せて楽しいひとときを家族と共に過ごしてみてはいかがでしょうか。
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