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西日本を中心に行われている地蔵盆とは?歴史的な由来と時期について

      2016/11/14

地蔵

長かった夏休みもいよいよ終盤戦に差し掛かってきました。

小中高生の子どもを持つ親御さんたちは、子どもたちがこの夏一回り大きくなったことに感動を覚えながらも、夏休みの宿題をしっかり終えているのかとドキドキされていることと思います。

ですが、そんな親心露知らず、子どもたちにとって最大のビックイベント「地蔵盆」に夢中です。

しかし、この地蔵盆という行事ですが、実は近畿地方を中心に行われている行事のため、関東地方などでは全く行われていない行事のため、東日本出身の方が西日本へ越した際はたいへん驚くそうです。

そこで、今回は西日本を中心に行われている地蔵盆とはどのような行事なのか、その歴史的な由来と時期についてご説明したいと思います。

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地蔵盆の由来とは

地蔵

地蔵盆とは、釈尊の入滅後、弥勒仏が出生するまでの期間、無仏の世界に住まう六道の衆生を教化・救済を行う地蔵菩薩の縁日のことです。

主に近畿地方を中心に行われておりますが、近畿地方から少し距離が離れている長野県や長崎県の一部地域でも行われています。しかし、関東地方や東北地方など地蔵信仰が浸透していない地域では、地蔵盆は行われておりません。

地蔵菩薩は、梵語で「クシティ・ガルバ」と言い、大地が全ての生命を育む力を蔵するように、苦悩を抱える人々を無念の大慈悲の心で優しく包み込み、救うと言うことから命名されました。

日本では、子孫繁栄や交通安全、村の守り神として道の辻に祀られている民間信仰の道祖神と同じとされ、16世紀以降は「子どもの守り神」として信仰されるようになり、親より先に亡くなってしまった子どもたちが賽の河原で苦しんでいるのを救うという物語が生まれます。

そのため、当時の地蔵盆は、子どもたちがお地蔵さんの前へと詣で、その加護を祈るものとなっており、現在の地蔵盆とは少々異なります。

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地蔵盆の時期や詳しい行事内容

地蔵

現在行われている地蔵盆は、子どもたちのためのお祭りという要素が強まっています。

地蔵盆は、旧暦7月24日 (新暦8月24日)の前日にあたる宵縁日を中心とする3日間に行うのですが、最近では地蔵盆の期間中のいずれかの日を選んで催されることが多く、ほどんとの地域で開催日が1日のみとなっています。また、最近では地蔵盆ではなく、「大日盆」や「夏祭り」などといった名称で開催されることもあるそうです。

地蔵盆と言う名前の由来は、旧暦7月24日が盂蘭盆会の時期に近かったため、地蔵盆と呼ばれるようになったと言われています。ちなみに、地蔵盆は旧暦7月24日に行うのが一般的となっておりますが、厳密には毎月24日が地蔵菩薩の縁日となっています。

地蔵盆の開催場所ですが、お地蔵さんを祀っている祠の前で行われることが多く、その近辺の駐車場や集会場、公園、さらには個人のご自宅のガレージなどで実施されます。

地蔵盆のほとんどが、町内会もしくは町内の子供会などが運営しており、町内単位で開催するのが一般的となっています。運営者の多くは子を持つ親御さんですが、地域との交流を目的としている場合も多いため、子どもたちも地蔵盆の運営に参加することもあります。

地蔵盆のシーズンが近付くと、町内の大人たちはお地蔵さんを祠から取り出し、お化粧を行って新しい前掛けを着せます。お地蔵さんの無い地域では、お寺などからお地蔵さんをお借りしたり、仏画を用いるなどの対策を行っています。
お化粧が済んだお地蔵さんは、地蔵盆のための祭壇へ祀られ、花やお供え物、お札などを飾り付けます。

一般的な地蔵盆は、お坊さんによる読経や法話で始まるのですが、その際、地蔵盆に参加する子どもたちは直径2mほどの大きな数珠を囲んで座り、大人もその輪に混ざって、お坊さんの読経や法話に合わせて数珠を回す「数珠まわし」が行われます。

その後、お菓子を配ったり、手料理やゲーム、福引などを行って地蔵盆を楽しみます。地蔵盆が終わると、お地蔵さんは祭壇から祠へと納められ、日頃の感謝の気持ちを込めて、手を合わせ、祠をキレイに掃除し、生き生きとした花を活けるのです。

この地蔵盆の行事は、ユネスコの無形文化遺産や日本国の民族文化財などに指定されており、これから先も受け継がれてゆくことでしょう。

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