蛍を観賞することができるスポット【関東まとめ】
「夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、蛍の多く飛びちがいたる。また、ただ1つ2つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし」
これは平安時代中期の随所「枕草子」に綴られた蛍に関する描写です。
枕草子の作者である清少納言は、鋭い写実と才気煥発のふでつきは、源氏物語と共に平安時代を代表する文学作品と称されています。
彼女をはじめ、当時の貴族たちは、闇夜を照らす蛍の優しい灯りを恋の象徴とし、身を焦がすような恋心を蛍の光に重ねていたことが当時の歌などから感じ取ることができ、これ以降、蛍は「伊勢物語」や「古今和歌集」、「大和物語」などにも登場するようになります。
そこで、今回は絶滅の危機に瀕している蛍を見ることができる関東にあるスポットをまとめてご紹介したいと思います。
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蛍を見ることができるスポット【関東編】
蛍で最も有名なゲンジボタルやヘイケボタルは、一生のほとんどを水中で暮らすため「水生ホタル」と呼び、ヒメボタルやスジグロボタルなどの7種類は一生のほとんどを山や野道で過ごすため「陸生ホタル」と呼ばれています。
蛍はとても繊細な生き物ですので、美しい自然と清らかな水のある場所でしか見ることができません。また、水温も15度から20度に保たれており、エサとなるカワニアなどが生息していなければなりません。
そのため、関東近郊でこれらの条件を満たす場所といえば、極限られてしまいます。では、関東地方で蛍を見ることができるスポットをご紹介します。
その1.寺家ふるさと村
都会的な神奈川県横浜市内には、たいへん貴重な田園風景が広がるのどかな寺家ふるさと村という場所があります。寺家ふるさと村では、捕まえることができるほどたくさんの蛍が飛翔しており、6月の上旬ごろから見ることができるため、シーズン中は大勢の観光客が一足先に蛍の姿を見ようとやってきます。
寺家ふるさと村
住所:神奈川県横浜市青葉区寺家町414番地
観賞期間:5月から6月にかけて
その2.白浜フラワーパーク
初夏の風物詩である蛍ですが、実は蛍の他にも発光する生き物はたくさんいます。千葉県南房総市にある白浜フラワーパークでは、毎年6月頃から蛍と共に海ほたるに関するイベントが開催されており、里ほたると海ほたるを心行くまで堪能することができます。
ですが、毎週金曜・土曜・日曜日の3日間に限られており、時間も20時から21時のたった1時間ですので、イベントに参加される際は要注意です!
白浜フワラーパーク
住所:千葉県南房総市白浜町根本1454-37
開催日時:5月下旬から6月下旬の毎週金曜・土曜・日曜
※開催日時は2015年のものになりますので、詳しい開催日時は白浜フラワーパークの公式ホームページをご確認ください。
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その3.秩父ミューズパーク
埼玉県内で最も美しい蛍を見ることができる場所として知られる秩父ミューズパークは、豊かな自然を肌で感じながら、蛍の光を観賞することができるため、初夏の夜を楽しみたい方にピッタリです。ただし、蛍はとても繊細な生き物ですので、スマートフォンや携帯電話等の電源を切り、蛍が飛んでいる間は極力物音を立てず、懐中電灯も切るように心掛けましょう。
埼玉ミューズパーク
住所:埼玉県秩父郡小鹿野町長留2518
期間:6月から7月頃
その4.等々力渓谷・等々力不動尊
東京都23区内にある唯一の渓谷として有名な等々力渓谷は、等々力駅から徒歩5分の場所にあり、閑疎な自然が広がる素晴らしい空間です。ひっそりとした静けさを好む富豪層の方々がこの近辺に住んでおり、時間に追われる都会のオアシスとしても大活躍しています。蛍が見られる場所は、等々力渓谷公園入り口から階段を降り、小川に沿って作られた遊歩道を300mほど歩いてゆくと蛍を見かけることができます。
また、渓谷から150mほど離れた場所にある等々力不動尊では、毎年7月最終日曜日に蛍祭りが開催されますので、このときばかりは等々力渓谷も大勢の人が集まり、たいへん賑やかになります。
等々力渓谷・等々力不動尊
住所:東京都世田谷区等々力1丁目22番47号
開催期間:7月いっぱい
まとめ
関東近郊では、他にも岡本公園・調布深大寺周辺・渋谷区ふれあい植物センター・椿山荘・よみうりランド・厳島湿生公園などで蛍を観賞することができますので、5月下旬から7月にかけて関東地方へ足を運ばれる際は、1度訪れてみてはいかがでしょうか。
ホタルはとても繊細な生き物ですので、捕まえたり、物音や光を当てないようにマナーを守って参加するようにしましょう。
※関西編はこちらから↓
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