岐阜県郡上市の伝統的な盆踊り「郡上踊り」の9時間耐久徹夜おどりを楽しむテクニックとは!?
2016/11/14
そんな郡上市八幡町といえば、豊かな美しい自然と古い町並みや水路が残る魅力溢れる岐阜県有数の観光スポットとして人気を集めています。
そんな郡上市八幡町といえば、明方ハムやとちの実せんべい、けいちゃん、肉桂玉といった御当地グルメが豊富であり、毎年7月上旬から9月上旬にかけて行われる「郡上踊り」がたいへん有名です。
「郡上踊りってなんぞや?」という方も大勢いらっしゃるかと思います。
郡上踊りとは、400年以上の歴史を持つ日本三大盆踊り及び日本三大民謡に数えられている伝統的な盆踊りです。
なかでも盂蘭盆会期間中に開催される9時間耐久「徹夜踊り」は1度体験したらクセになると言われており、毎年大勢の観光客が訪れるそうです。
今回は岐阜県郡上市で毎年開催されている「郡上踊り」の由来や人々を惹き付ける魅力についてご紹介したいと思います。
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郡上踊りとは?
郡上踊りは、毎年7月から9月にかけて33夜 (年によって異なる)に渡って催される日本一長い盆踊りです。毎年7月9日の「おどり発祥祭」にはじまり、9月3日の「おどり納め」にかけて踊り抜く岐阜県郡上市の夏の風物詩です。
盆踊りの会場は、ひと晩で1ヶ所ずつとなっています。なぜひと晩で1ヶ所ずつなのかと言いますと、町内のあちらこちらで開催されている縁日祭りにちなんで行われているからです。
おどり会場は、ひと夏かけて市街地を一巡しており、城下の街並みの中や辻の広場、神社の境内など町のありとあらゆる場所が会場となり、山の中腹にあるホテルの駐車場で開催されることもあります。
開催時間は平日と日曜日は、8時から10時半ごろ、土曜日は8時から11時頃までが基本となっておりますが、特別な催しが開かれる際は変更されることもございます。
なお、クライマックスとなる徹夜踊りは、8月13日から8月16日の盂蘭盆会期間中となっており、この日は9時間ぶっ通しで踊り倒すそうです。
郡上踊りの由来と歴史
郡上踊りは、「念仏踊り」や「風流踊りの」流れを汲んでいる盆踊りだと言われています。郡上踊りが盆踊りとしての体制が整えられたのは、郡上藩主の奨励によるものであり、初代藩主の遠藤慶隆公が領民との仲を深めるために奨励したのが発祥だというのが、現在伝わっている由来ですが、江戸時代中頃の藩主・青山氏が宝暦騒動の後、市民と打ち解けて仲良くするために奨励したのが始まりだという説もあり、定かではありません。
ですが、1728年からの17年間、飛騨国の代官であった長谷川忠崇は徳川幕府8代将軍・徳川吉宗の命を受け、「濃洲志」を書き記したのですが、その巻第七踏歌のなかに「転木麿歌 (するまうた)」が記されており、これは飛騨の地で八幡のことを歌ったものであり、以前から郡上にてこの歌が歌われていたことを示唆しています。
1840年に書かれた「郷中盛衰記」には「延亨時代まで神社の拝殿が九頭宮と祖師野だけにあり、盆中は氏子がその拝殿で夜明かしして踊った」という記述があり、この時代より以前から郡上の盆踊りが徹夜で行われていたことがうかがえます。
また、1820年は郡上藩庁により「城番年中行事」という触書のなかで「盆中は踊り場所へ御家中末々まで妻子並びに召使いなど出かけてゆくことはならない」という禁令が発せられていたのですが、武士やその家族たいは藩主や役人にバレないようにこっそり参加していたと言います。
江戸時代後期になると、城下の盆踊りは七大縁日に行われるようになったのですが、1874年に神仏分離政策や近代化による影響などによって禁止令が出され、一時的に郡上踊りは歴史の影へと消えてゆきます。
1923年、郡上市に伝わる盆踊りを復活させるべく、郡上踊り保存会が発足し、1929年4月には東京都の松坂屋にて初の公演が行われました。
その後、幾多の苦難を乗り越え、1990年にはアメリカ・ロサンゼルスで開催されたフェスティバルで初の海外公演を行ったり、2008年にはカナダ・トロントにて日加修好80周年を記念して「郡上踊りinトロント」が開催されるなど、日本国内だけではなく世界からも大注目を集める盆踊りとなっています。
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郡上踊りの魅力とは?
岐阜県郡上市は、郡上八幡・大和・白鳥・高鷲・美並・明宝・和良の7つのエリアに分かれており、郡上八幡と白鳥の2つで開催されている盆踊りを「郡上2大おどり」と呼び、毎年国内外から多くの盆踊り参加者がやってきます。郡上八幡は「郡上の八幡出てゆく時は雨も降らぬに袖しぼる」の歌詞で知られる郡上踊りが有名で、士農工商それぞれの心の安定と融和を目的に奨励された盆踊りとして知られています。
そして、郡上八幡の盆踊りは7月から9月にかけておよそ33夜に渡って行われるのが特徴です。服装は自由なのですが、浴衣で参加するのがオススメです。10種全てのおどりが国の重要無形民俗文化財に指定されており、年中踊りのレッスンが行われています。
一方、白鳥エリアで行われている郡上踊りは「白鳥おどり」と呼ばれ、400年以上の歴史を持つ盆踊りです。
こちらは軽快なテンポの音楽に合わせて踊るので、若者から絶大な人気を誇っており、古くから男女が心を通わせる場として用いられてきました。
こちらは神社の拝殿にキリコ灯籠を吊り下げて踊る国選択無形民俗文化財「拝殿踊り」が行われており、音頭取りの唄と下駄の音だけで調子を合わせて踊る素朴なもので、盆踊りのルーツと言われています。
白鳥おどりは8種の踊りを軽快なリズムに合わせて踊ります。白鳥おどりは郡上八幡よりもやや少ない20夜ほどとなっておりますが、8月13日から8月15日の3日間に渡って行われる徹夜踊りは踊り好きには堪らない夜となっています。
郡上踊りの魅力は、9時間耐久の徹夜踊りです。
毎年大勢の地元民と観光客が押し寄せ、眠さと足の痛みに耐えながら20時から翌朝の4時まで踊り倒す盆踊りなのですが、なぜが1度体験したら来年も踊りたくなるという不思議なジンクスがあります。
通常の盆踊りならば1時間ほど踊れば満足できるのですが、郡上踊りは9時間踊り続ける盆踊りですので、1時間すると飽きてきたり、足が疲れたりと疲労感が出てきます。しかし、あるときを過ぎると、踊ることの楽しさや達成感を求めるようになり、結局9時間踊り明かしてしまうそうです。
もちろん、9時間踊り続けなければならないわけではございません。途中で帰宅する人もいれば、休憩をはさんで再び踊り出す方もいらっしゃいます。
郡上踊りは時間ピッタリに終了しますし、終わった後は30秒も経たずに櫓の電気が消え、2分ほどすると辺りには誰もいなくなり、清掃員の方が後片付けをしています。
まとめ
郡上踊りの魅力は、体験した方でなければ理解することはできません。
是非、今年の夏は家族や友人たちと共に岐阜県郡上市まで足を運び、9時間耐久徹夜踊りに参加してみてはいかがでしょうか。
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