「こどもの日」の由来を子供向け(保育園児)に簡単に説明する方法
2016/02/23
ゴールデンウィークの最終日である5月5日は「こどもの日」ですが、なぜこどもの日と呼ぶのかご存知ですか。
こどもの日は、1948年に国民の休日として政府によって制定された祝日です。
こどもの日には「子どもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝をする日」という意味が込められており、男の子だけではなく、女の子の幸せも願うというものでした。
本来5月5日は端午の節句と言い、中国で行われていた5月初めの午の日に行われていた節句が奈良・平安時代の頃に日本へ伝わり、伝わった当初は厄払いの行事として行われていたのですが、それがいつしか男児の健やかな成長と出世を願う行事へと変化し、現在に至ります。
さて、そんなこどもの日ですが、保育園児や幼稚園児たちから「どうして『こどもの日』って言うの?」と尋ねられた場合、どのように答えたら良いか難しいですよね。特に「なんで柏餅を食べるの?」「なんで鯉のぼりを飾るの?」と突然質問されると困っちゃいますよね。
そこで、今回は保育園児や幼稚園児に分かりやすいこどもの日の説明についてご紹介します。
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保育園児や幼稚園児に分かりやすい「こどもの日」の説明とは?
「こどもの日ってどんな日なの?」と保育園児や幼稚園児に質問された場合、「こどもの日とは、1948年に制定された~」なんて難しい説明をしても幼い子どもたちには伝わりません。
では、幼い子どもたちへこどもの日の説明をするためには、どのように伝えたら良いのでしょうか。
鯉のぼりを飾る理由を聞かれた場合
なぜ鯉のぼりを飾るのかと尋ねられた場合、鯉のぼりの起源となった24史の1つ「後漢書」に記されている「登竜門」のお話と鯉のぼりに込められた親の気持ちを伝えるようにすると分かりやすいかと思います。
[例えば…]
子ども「なんで鯉のぼりを飾るの?」
大人「○○くんは鯉の滝登りって聞いたことがあるかな?鯉は黄河という大きな河にある竜門と呼ばれる流れの早いところを登り切ることができると立派な龍になるという伝説があってね、日本ではこどもの日に鯉のぼりを飾ると、立身出世できると云われていて、○○くんが将来立派に成長して、成功を収められますようにという願いが込められているのよ。」
柏餅や粽(ちまき)を食べる理由を聞かれた場合
こどもの日のお祝いの際に必ず登場するのが、柏餅や粽です。
柏餅と粽では由来や意味、そして発祥地も異なりますので、説明する際はそれぞれに込められた願いを伝えるのがポイントです。
では、柏餅を食べる由来からご説明します。
[例えば…]
子ども「なんで柏餅を食べるの?」
大人「柏餅のお餅をくるりと包んでいる槲の葉は、どんなに強い風が吹こうが雨や雪が降ろうが古い葉っぱは耐えて、新しい芽が無事に出てくるのを待っているの。昔の人はね、男の子は家の跡継ぎや家長として代々お家を守ってゆくものだと考えていて、
「このお家の跡を継ぐ立派な子どもが生まれるまでは親はしなない」という意味が込められた槲の葉を巻いたお餅を食べて、○○くんがいつまでも元気でいられますようにという願いが込められているの。」
[例えば…]
子ども「なんで粽(ちまき)を食べるの?」
大人「昔々、楚という国に屈原(くつげん)という偉い人がいたの。屈原はとっても情に厚く、正義感の強い男の人だったので、王様や国の人々からとっても信頼されていたの。でもね、そんな彼を妬む人も多く、屈原は悪い人たちの企みによって国を追い出されちゃったの。
行き場の無い屈原は、5月5日に汨羅(べきら)という川に身を投じ、彼を慕っていた大勢に人々が彼の死を悼み、川にお供え物を投げ入れて彼の成仏を願ったの。でもね、その川には悪い龍が住んでいて、屈原のお供え物を全部食べちゃったの。そこで、人々は龍が苦手な楝樹の葉でもち米を包み、5色の糸でしっかり縛って川に投げたの。
こうして無事屈原の魂は成仏し、5月5日のこどもの日に粽を食べると厄除けになり、○○くんがいつまでも元気で逞しく成長しますようにという願いが込められているのよ。」
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兜や鎧を飾る理由を聞かれた場合
こどもの日といえば、立派な兜に鎧を飾るご家庭も多いかと思います。
もしも、子どもたちに鎧や兜を飾る理由を聞かれた場合どうしたら良いのでしょうか。こどもの日の由来を説明し、兜や鎧に込められた意味を説明するのがポイントです。
[例えば…]
子ども「どうしてこどもの日に鎧や兜を飾るの?」
大人「こどもの日は端午の節句と呼ばれていてね、ずっと昔から中国で行われている厄払いの行事なんだよ。」
子ども「端午ってなに?」
大人「○○くんは、十二支を知っているかな?昔は5月のことを十二支の午に当たるから午の月と呼んでいたんだよ。そして、5月に入った初めの午の日が5日だったこと、そして、午(うま)と5が同じ「ご」と読むことから、5月5日を端午と呼ぶようになったんだ。そして、日本に端午の節句が伝わり、日本でも5月5日に菖蒲やよもぎを飾って厄払いをしていたんだ。
でもね、日本は武家社会だったから、日本には武事や軍事を重んずる尚武という言葉と厄払いの効果を持つ菖蒲の呼び名が同じだったことから、いつしか5月5日は男の子の無事な成長と繁栄を願う行事へと変化していったんだ。そして、男の子が誕生した武士の家では男児の身の安全を願って兜や鎧を神社へ奉納するようになったんだよ。
武士の世界では兜や鎧は身を守る大切な道具だったからね。そして、平和な世の中になり、兜も鎧も付けなくても良くなった時代となった今でも○○くんの無病息災や厄払いを願ってこどもの日にこうやって兜や鎧を飾っているんだよ。」
まとめ
子どもたちにこどもの日の由来を説明するのはどうしても難しいという親御さんは、こどもの日をテーマにした絵本を購入し、子どもへ読み聞かせるのも1つの手段です。
特に2001年に刊行された今関信子作「げんきにおよげ こいのぼり」は、鯉のぼりの由来をこどもにも分かりやすく説明されているのでオススメです。
もしも、武士の時代背景が分からないという場合は、どんな時代だったのかをお父さんやお母さんが優しく丁寧に説明してあげると良いでしょう。
もうすぐこどもの日ですね。是非、子どもたちにこどもの日とはどういう日なのかを説明し、お父さんやお母さんの思いや願いを伝えて、子どもたちを素敵な祝日を過ごしてみませんか。
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